安全な階段にしよう! 階段リフォームのポイント
近いうちに高齢の両親と一緒に暮らす予定があるという方の中には、「住宅をリフォームして両親が安心して暮らせる家にしたい」と考えている方もいると思います。
階段は家の中でも事故が起こりやすい場所のひとつです。しっかりポイントを押さえて安全な階段を作りましょう。
ここでは階段リフォームのポイントと注意点をご紹介します。
階段をリフォームするうえで最低限知っておきたいこと
建築基準法で階段の各パーツについてそれぞれサイズの規定があります。階段のリフォームを検討中の方は事前にしっかり把握しておきましょう。
【踏み面(足を乗せる部分)】
150mm以上(奥行き)
【蹴上げ(踏み面から次の踏み面までの高さ)】
230mm以下
【横幅(階段全体の横の長さ)】
750mm以上
一般的に、「踏み面20~22cm」「蹴上げ18~20cm」が上りやすいサイズであるといわれています。踏み面と蹴上げのサイズの関係が階段の上りやすさに直結しますので、サイズに関してはリフォーム会社とよく相談し、ご家族にとって最適のものを作るようにしましょう。
また、2000年の建築基準法の改正により、現在階段への手すりの設置が義務付けられており、手すりがない側には側壁、もしくはそれに代わるものを設置する必要があります。
階段リフォームのポイント
階段リフォームのポイントをご紹介しましょう。
・滑りにくくなるようにする
階段は高さがあるものです。そのため万が一足を滑らすなどをしたら、転落して大きなケガや死亡事故につながる恐れがあります。階段の床材には滑りにくい素材のものを選びましょう。カーペットやコルクなど滑りにくくかつ柔らかい素材であればより安全な階段になります。
・明るさをしっかり確保する
見落としがちですが、階段での転落事故を防ぐために重要になるのが、階段の明るさです。特に勾配がある階段は足元が暗くなりがちで、踏み外しやつまずきの原因になります。照明器具を増やすのはもちろんですが、階段の途中などに採光窓を設置したり、明るめの床材を利用したりするなどして、階段全体が明るくなるようにしてください。
勾配は緩ければ緩いほどいいわけではない
安全な階段を作る際に勾配をできるだけ緩くしようと考える方がいると思いますが、勾配は緩ければ緩いほどいいというわけではありません。もちろん、あまりにも急な勾配では危険です。しかしだからといって極端に勾配を緩くすると、その分踏み面の奥行きが長くなり、蹴上げが低くなるということになります。前述のとおり階段の上りやすさは踏み面と蹴上げのサイズバランスが重要です。踏み面の奥行きが長くなれば、普段よりも大股で歩かなくてはいけなくなります。上りやすくするはずが逆に歩きづらくなったり、踏み面の面積がより必要になることで、廊下などが狭くなって生活しづらくなってしまったりする可能性があります。
前述した踏み面と蹴上げの一般的なサイズを参考にして、ご家族やリフォーム業者と相談しながらサイズを決定するようにしてください。
以上が階段リフォームのポイントと、知っておきたい注意点です。階段は事故が起こりやすい危険な場所のひとつ。ここで紹介したことを参考にして安全安心な住宅づくりをしてみてください。